遺伝的酒の強さと肝臓のリスク

肝臓は毒素を分解する臓器で、酒の分解能力の強さも分かるとされます。

 

酒は肝臓の「アセトアルデヒド脱水素酵素」で分解されますが、
アルコールの濃度が高濃度で作用する「ALDH」と、低濃度で作用する「ALDH2」の2種類があります。
しかし、酒に弱い人はこのALDHやALDH2を先天的に持たない人で、
顔が赤くなり、心臓がドキドキするなどのフラッシング反応というものが出現します。

 

アルコールへの耐性は、西洋人や黒人では100%近い人がその分解酵素を持っていますが、
中国や日本ではその比率が40%程と言われ(フィリピン13%・タイ10%)、その遺伝子の型もわかってきています。

 

遺伝子型では「NN型」は分解酵素を持ち、いわゆるお酒に強い人で、白人黒人では100%、日本人では56%。
「ND型」はほどほどに飲めるという人で、白人黒人では0%、日本人で40%。
「DD型」はアルコールに弱いという人で、日本人で4%見られるといいます。

 

ある時モンゴロイドの中にALDH2を持たない人が誕生し、その血脈はアジアに広まり、
東アジア人は40%ほどが先天的にアルコール分解能力が弱いということになりました。

 

アセドアルデヒドは発がん性を持つと言われ、分解能力が低い人はその影響を受け易い事になります。
耐性の低い日本人は、酒による肝臓ガンの影響は白人や西欧人より低いとされますが、
2008年までの厚生労働省の報告では、「日本では飲酒と肝ガンのリスクは確実である」とされています。

 

又、日本での肝ガンの割合は肝炎ウィルスによるものが9割を占めますが、
アルコールがウィルス増殖や変異、免疫低下などの増大になるのではないかとも言われています。

 

一方で、アルコールに強い・ほどほどとする人も、長年の飲酒とその量により始めは脂肪肝から始まり、
更に飲み続けるとアルコール性肝炎、肝硬変となっていきます。

 

沈黙の臓器と言われますが、血液検査の「ATS」や「ALT」が高い時には肝炎の疑い、
「γ―GDP」が高いのは酒の飲み過ぎの目安となっており、肝臓が悲鳴を上げる前にその状態を知る事と言えそうです。